いばら姫のおやつ
THORN PRINCES Have An Afternoon Refreshments
傑作短編集
著者: 石田敦子
出版社: 少年画報社 (2001/01)
ISBN-13: 978-4785920593
ASIN: 4785920599
アニメがお仕事!を書いていらっしゃる
石田敦子さんの最初の短編集になります。
アニメのお仕事もそうですが
心に痛いお話が多くて胸がせつなくなります。
思春期だからこそ許される孤独とすれ違いが素敵。
大人になりたくてなれない少女の苛立ち
そして子供のままの瞳で生きる少女の悲しさ。
短編集というだけあって短いお話も多いのですが
どれも心に残るお話でした。
大きな瞳が印象的な柔らかい絵を描かれる人ですが
特にキッ!と睨みつけたときの表情が素敵です。
はにかむように困ったときの表情なんかも良いですけどね。
キャラクターでは
デビュー作『天上の缶づめ』に出てくる
少しオネェ言葉な勘九郎君が良かったかなー。
後、大人しくて繊細な少年なんかも上手だと思います。
嫉妬や醜さなどのドス黒い感情に蝕まれながら
手を伸ばしたくても伸ばせないもどかしさを
表現するのがとても上手な方だと思います。
この短編集ではそういった描写は少ないんですが
アニメがお仕事!ではこれでもかってぐらいに
ドロドロした部分が出てきたりして
とても楽しく読ませていただきました。
困難な目に遭って落ち込んでも
最後にはしっかり前を向いて歩けるような
芯の強いヒロインが多いのが特徴的かな?
いずれにしても
こういった短編集には
その作家さんの持つエゴの深さというか
特質がぎゅっと濃縮されているようで
評価の定まった長編とは
また違った楽しみがあるように思います。
いや本当…
良い作品に出会えると心が和みますね。

