| 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 販売元 : Amazon.co.jp 本 価格 : ¥ | |
大人になんてなりたくなかった。本書のカバー裏より
傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。
でも、早く大人になりたかった。
自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。
実弾が、欲しかった。
どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。
そんな13歳の二人の少女が出会った。
山田なぎさ───片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。
海野藻屑───自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。
二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。すべては生きるために、生き残っていくために───。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー!
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない。
そこにあるのは小さな小さな物語。
冒頭に用意された結末を少しも裏切ることなく
物語はゆっくり静かに紡がれる。
それは取るに足らない貴族のお菓子。
腹の足しにはならない砂糖菓子。
甘く切なくて溶けてしまいそうな…優しい嘘。
藻屑は自分のことを人魚だと言う。
大嵐が来るまでに捜し物をみつけないと
海に還ることになるって…。
あたしは実弾が欲しかった。
それは現実に負けない直接的な力だったから。
生活に打ち込む、本物の力。
それが実弾だ。
ふたりの少女をとりまく状況は
大きなうねりとなって
ある時には穏やかで優しく
そして残酷なまでにふたりの運命を玩ぶ。
砂糖菓子の弾丸では撃ちぬけない。
これがあたしと藻屑の…ささやかな抵抗。
「友彦。昨日の夜、
藻屑は言ったんだ……」
「こんな人生は全部、嘘だって。
嘘だから、平気だって」
もう誰も、砂糖菓子の弾丸を撃たない。
どこまでも一緒に逃げようなんて、言ってくれない。
嵐の一夜が過ぎ去ったとき
嘘つきで優しい人魚は…海の泡になる。
あたしの魂は、それを知っている。
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読みました。
なかなかに素敵な作品で驚いています。
優しい嘘って素敵ですよね。
読み終わった後、作品の感想について少し調べてみました。
ちょっと調べて興味深かったのは
ライトノベルとして出版された本作品が
今年の2月に一般文芸書として単行本で出版されたことでしょうか。
今までイラストによって和らげられていたものが
一般文芸書という枠組みの中でどう評価されるのか興味があったり。
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない。
この作品タイトルにこめられた意味に気づいたとき
私は既にこの物語にどっぷり引き込まれていて
ひとつひとつの言葉を噛み締めるように
嫌だ嫌だと思いつつも最後まで読み進めてしまいました。
軽く欝になれる作品だってことは知っていましたので
そこまで心にダメージはなかったんですけどね。
砂糖菓子の弾丸はなぎさと藻屑の現実を壊すことはできなかったけど
私の心を撃ちぬくには十分すぎるほどの破壊力があって
優しくて切なくて…とても愛しい物語だと思いました。
できれば10代の多感な時期にこの物語を読みたかったかなー。
きっとボロボロと涙を流していたに違いないでしょうし。
藻屑が砂糖菓子の弾丸を撃ち続けていた意図が
今はもう痛いぐらいに判ってしまうので
その行動に疑問や反感を覚える前に
駆け寄って抱きしめて「もう大丈夫だから」って言いたくなります。
でもそれじゃ、作者の意図というか
作品の魅力を十分に味わうことはできませんよね。
小さな嫉妬にほんの少しの憧れ。
思春期特有の微妙な心理描写が秀逸で
手を伸ばせば届きそうで届かないもどかしさがあったりします。
■答えられたらヤバイクイズ
一時期ネット上で話題になったりしましたけど
(時期的には多分、某カレー事件の頃かな)
これの元ネタは私が思うに江戸時代の天和の大火で有名な
八百屋お七の故事から来ていると思います。
これを誰かが有名な猟奇殺人の精神鑑定と結びつけたのか
あるいはそういったやり取りが実際にあったのか知りませんが
あたかも本当にありそうな噂として
現在ではそれなりに知られている逸話だと思います。
私ですか?
そんなの勿論、バッチリ答えられたに決まっているじゃない!
いや…犯人の気持ちになって考えたら
そんなに難しいクイズでもないと思うのよ。
八百屋お七の逸話も知ってましたし。
でも ”Because I miss you” って答え方は素敵ですよね。
まだこの作品を読んだことのない貴方に
砂糖菓子の弾丸が届くことを祈って
…今回はこんな感じでしょうか。
良い作品なので未読の方はこの機会に是非どうぞ♪

