2006年05月30日

ユダの福音書を追え (1)

まず最初に。
タイトルに偽りはないものの少々期待はずれの内容でした。
むしろ帯カバーがやや大げさといった感じ?
以下、カバーにある煽り文句と私なりの感想を。

◆ユダは裏切り者ではなかった。  
明確な証拠は提示されてません。
発見された文書においてはそうだった…というだけのこと。
表題にある 『ユダの福音書』 とは、現在の聖書にある
新約聖書の4福音書と異なった視点から書かれた文献であり、
原始キリスト教社会において 『正典・外典・偽典』 の区別が
まだ存在しえない時期に流布していたものの中のひとつであると推測される。
後に異端審議で厳しく槍玉に挙げられ、当時の書簡などで名前だけは知ることはできるものの
その存在すら疑われ、現存することはほぼ絶望視されていた。

◆1700年前の禁断の書 『ユダの福音書』 に残されたイエス最期の日々。
残念ながら、その詳細を知ることはできません。
本書は 『ユダの福音書』 が歴史の闇の中から発見され
その内容が復元されていくまでを描いたドキュメントであり
その数奇な運命に胸を躍らせるのが最大の見せ場だと思われます。
もちろん、書かれている内容は大雑把には述べられています。
『ユダの福音書』 がある意味、禁断の書であるのは全くの事実。

◆発見・復元・解読を追った衝撃のドキュメント!
これは全くその通りでした。
本書の大半をその追跡に費やしています。

◆世紀の大発見!
これはダウトだと思います。
聖書学において世紀の大発見であることに間違いはありませんが、
この文献に書かれている内容が真実であるかどうかは神のみぞ知る…なので。
もちろん、これは聖書に書かれている他の福音書に関しても言えることですが。
結局のところ、聖書に書かれている事柄を事実として信じることができるか否かは
それを受け取る側にこそ委ねるべき問題だと思われます。
いや、ぶっちゃけ事実である…と信じることこそ信仰に他ならないと思いますし。


上のほうでも述べましたが 『ユダの福音書』 がどうやって発見され、
その途中で幾多の困難に出会いながら、さまざまな人の手を経て
ついに復元・解読されていくまでを描いたドキュメントになります。
その数奇な運命は筆舌に尽くしがたいもので 『ユダの福音書を追え』 という
タイトルに嘘偽りのないものでした。

でもね…私が知りたかったのはそこじゃなかったりして。(涙
イエスの教えがどこから来て、どこに至ろうとしていたか…ってのを
今まで教会の都合で削られていった文献の中から丹念に拾い上げて欲しかったのよぅ。
ぶっちゃけエッセネ派とバプテスマのヨハネの関係であったり
ダヴィンチ・コードにあるようなマグダラのマリアとの関係に言及するようなのを期待してたり。
そういった意味においては激しく期待はずれと言っても良い内容でした。

ただグノーシス主義を知る上では結構参考になったかも。
ユダの福音書はかなり色濃くグノーシス主義の影響を受けており
その記述にはイエスの復活がなかったりします。
『磔で死んで古い肉体を脱ぎ捨てたことにより、より高度で神聖な不滅の精神を得た』
…ってスタンスになるのかな? 大雑把に言うと。
死からの復活よりも、世俗の苦しみからの解脱こそが人類の救済に他ならないって感じ?
あー…確かに過激になると一部カルトに通じるものがありますね。


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[タイトル] ユダの福音書を追え
[著者] ハーバート・クロスニー
[種類] 単行本
[発売日] 2006-04-29
[出版社] 日経ナショナル ジ..
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posted by のあなな at 06:43| Comment(0) | TrackBack(1) | おかると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『ユダの福音書を追え』 ハーバート・クロスニー
Excerpt: 十二使徒の一人でありながら、師イエス・キリストを裏切ったとされるイスカリオテのユダ。 だが実はユダはイエスの最も信頼する弟子であり、師の命ぜられるままに行動したのだとしたら・・・? 広く知られてい..
Weblog: 【徒然なるままに・・・】
Tracked: 2009-02-14 19:40
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