![]() | BLACK BLOOD BROTHERS (8) ―宣戦恋歌― 販売元 : Amazon.co.jp 本 価格 : ¥ |
[タイトル] BLACK BLOOD BROTHERS (8) ―宣戦恋歌― [著者] あざの耕平 (著) [種類] 単行本 [発売日] 2007-10 [出版社] 富士見書房 >>Amazon.co.jp で商品を確かめる | |
「…いいんだね?」本書カバー裏より
そう尋ねる神父に、ミミコは頷いた。
「新生『カンパニー』の代表。あたしでよければ、お引き受けします」
吸血鬼と協力し、人間たちを避難させる少女の姿──
崩壊する特区から全世界へ流されたこの映像が、ミミコの運命を変えた。
世界中で注目される存在となった彼女は、二つの種族の共存の象徴として
『カンパニー』代表になって欲しいという、尾根崎たちの依頼を受ける。
特区を奪還し、コタロウを──そしてジローを迎えに行くために
自分にできることは全てやろうと決意するミミコ。
そんな時、突然現れた豪王・フォワードが、彼女にある提案をするのだが……!?
新感覚吸血鬼サーガ、新たなる運命が脈動する第8弾!
葛城ミミコ逆襲する。
本書の内容を一言で表すとそんな感じかな?
崩壊した「特区」を離れ
新たな舞台で描かれるのは
もう逃げ場のないミミコの決意。
運命に翻弄されるだけじゃなく
自ら掴み取ろうとする意志の強さと
諦めの悪さこそが彼女の魅力のひとつですよね。
迷ったり悩んだりもしますが
それでも真っ直ぐに前を向いて歩こうとする
タフさがとても素敵だと思います。
ラストの終わり方が好きなので
このまま打ち切りエンドを採用しても
それはそれでありかな?
…と思ったりもして。
ミミコが自分の意志で
運命に立ち向かうことを選び
歴史の表舞台に立った…というだけで
作品のテーマはひとつ解消されましたしね。
アリスに囚われたジローに相対するため
あえて敵になることをカーサは選んだ。
でもミミコはジローが
アリスに囚われていることを含めて
そのまま好きになろうと決意した。
九龍の血統の力を借りて
忌まわしい宿命までも
ただ一色で塗り潰そうとしたカーサと
人と吸血鬼という
相容れぬ種族の違いを意識しつつ
それさえも意志の力で
なんとか手を携えようと努力するミミコ。
勝負あった! …と言いたいところですが
それでもアリスに勝てる気がしないのが辛いところ。
最初っから負け戦なのは判ってましたし
愛だの恋だのを越えた部分で
人としてお互いを尊敬できるような関係あたりが
ジローとミミコの着地点のような気がします。
それよりも何よりも
あのケインさんが随分と男を上げましたよ!
失われた特区を奪還するため
あそこまで決意しちゃうとは思いませんでした。
もうね…本当に格好良いのです。
まさかカーサと同じ混血になってまで
力を得るため自らを追い込むとは思わなかったから。
なんつーか…不器用すぎて不憫だけれど
カーサを失ったことを後悔してるんだなぁ…と思ったり。
ただ同情して、カーサと同じ
九龍の血統に染まるのではなく
混血にまで身を落として
真っ正面からカーサの不幸な境遇を打ち砕くんだもん。
いや…まだ成功するか判らないんだけどさ。
家族が欲しいという願望はミミコに打ち砕かれ
混血という不幸な境遇さえケインによって否定される。
ジローが欲しいと思うこともアリスのせいでままならない。
残る願いは破滅ぐらいしか残ってないんじゃ?
…なんて思わずカーサに同情しちゃったり。
九龍の血統にすがった時点で
既に負けは決まっていたようなものだけど
誰よりもアリスのことを理解していたがゆえに
悲劇的な最期さえ
カーサは受け入れているような気がしてならないのですよ。
個人的にカーサの不幸に関しては
「自ら望んで吸血鬼になったわけじゃない」
…ということに集約されると思ったり。
そういった意味においては
サユカさんはかなり幸運なのでしょうね。
闇の父であるゼルマンの影響か
はたまた過酷な環境のせいか判りませんが
思いっきりガラが悪くなってるような気がしますけど。
ちなみに個人的に気になっているのは
一巻で出てきたケリー・黄さんだったり。
九龍の血統に転化した吸血鬼に
断絶血族が含まれていたってわざわざ書かれている以上
多分、サプライズが用意されていると思うのですが
それがどんなものになるのかちょっと期待していたり。
…忘れ去られている可能性も否定できないけどw
特区に残ってレジスタンスをするには
うってつけの人材だと思いますので
ただ復讐に染まるだけじゃなく
何らかの救済策が用意されていると思いたいのよねー。
ワイン絡みで何らかの動きがあると楽しいのに。
戯れ言でごめんね。


