![]() | BLACK BLOOD BROTHERS (S)(2) ―短編集― 販売元 : Amazon.co.jp 本 価格 : ¥ |
[タイトル] BLACK BLOOD BROTHERS (S)(2) ―短編集― [著者] あざの耕平 (著) [種類] 単行本 [発売日] 2006-06 [出版社] 富士見書房 >>Amazon.co.jp で商品を確かめる | |
「コタロウ君、自分たちの仕事ぶりについてどう思う?」本書カバー裏より
「兄者が悪者を退治して大活躍だよね!」
「……そうね。それで、倉庫ふたつと、隣接するビルの一部を壊したわよね」
「正義にギセイは必要なんだよ!」
「……実はあたし 『カンパニー』 の始末書連続提出記録を更新中なの。
コレも護衛のアナタたちのおかげよねぇぇぇ」
「えへへ、それほどでもないよ!」
「くぅぅ、皮肉も通じないのか、こんのお気楽極楽吸血鬼兄弟っ !! 」
これは人間と吸血鬼間に起きたトラブルを処理する
若き調停員・葛城ミミコとその護衛たる吸血鬼の兄弟
望月ジローとコタロウの活躍を描いた物語……のハズです……。
新感覚吸血鬼ストーリー、労働とハードボイルドの短編集第2弾 !!
本編の続きが気になり
先にそちらを読んでしまったので
少しだけ勿体ないことをしたかなーと
ちょっと反省してみたり。
勿論、短編集だけを読んでも面白いですし
幾分コメディよりになってはいますが
作品の切り口が短編集1よりも幅が広く
バラエティ豊かな作品が揃っていて
本編とはまた違った趣があると思います。
特にカーサとアリスを扱った
「古城の一夜」という作品などは
本編でのカーサの行動を読み解く上でも
重要な鍵になると思います。
だからこそ刊行された順番に読んだほうが
本編をより楽しむ上でも良かったのかな…などと
少しだけ残念に思ったり。
リアルタイムで追いかけていれば
さらにそう思ったに違いないでしょうけど。
良いところで以下続刊になり
続きが気になる中でこの短編集を読むと
より焦らされるというか
さらに続きが読みたくなったでしょうしね。
■ランナウェイ!
読者のミスリードを誘う意外な展開ですが
富士見の短編集ですから!
…ということで終わってしまうような気が。
短編集の最初をこの作品が彩ることで
より一層、その意図は明確になると思います。
つまりは…お祭りなんですね。
■聖夜と金貨とミミコのワイン
悪くないお話だったと思います。
本編で潤いが足りない分は
短編集でってことでラヴですよラヴ!
最後の展開まで含めて素晴らしい様式美。
この作品と次の作品を出すためにも
今回の短編集には意義があった。
そう思わせるだけの内容だったと思います。
主にお話のバリエーションの部分でですけどね。
■ネズミたちの夜
固茹で卵ッポイのが素敵。
個人的にもろにツボだったり。
ちょっとだけ皮肉に満ちた
ろくでもない運命に乾杯なのです。
どうにも締まらない
甘さが残るのも良いんですよぅ。
物語の余韻がまた…ね。
■外よりきたる牙
物語の世界観を良く表すというか
ただ甘いだけじゃなく
苦みが残る後味の悪さがポイントです。
七布施キリマさん…。
個人的に結構タイプですし
良いキャラだと思うんですが
やっぱり短編集向きのキャラですよね。
■特区の少年王
多分、箸休めの内容かと。
東の龍王ことセイを扱った作品になります。
でもまぁ…この作品を先に読んでいれば
もう少し私も
セイに愛着心が湧いたかも知れません。
本編では今、凄いことになってますけどね。
■TONIGHT SALARY
これはもう少し掘り下げて
本編の中でやった方が良かった話だと思います。
吸血衝動に関する葛藤は
物語の根幹をなすものだと思いますし。
最後がちょっとラヴなので
ここに入れるのが妥当なんでしょうけどね。
まぁ…繰り返し
本編でも語られているテーマだとは思いますが。
■古城の一夜
なにこれ?
何なのこれ?
…ズルすぎじゃね??
人気キャラであるアリスとカーサと
吸血鬼になりたてのジローが活躍するお話です。
こんなの最後に持ってくるなんて卑怯だよ!
カーサ好きの私としては
この作品のためだけに本書を買う価値があると思ったり。
でも、もう少し膨らませて中編にしたり
そもそも本編に組み込むべき内容じゃありません?
カーサの感情の揺れが素敵です。
自らの出生に関する鬱屈した感情と
ジローへの想いがまた良いんですよねー。
無自覚な悪魔っつーか
個人的に悪意ある天然キャラだと思ってますけど
やっぱり今回の作品中でも
アリスさんの魅力が炸裂して大迷惑でした。
なるほどなるほど。
吸血鬼の世界でも下克上があるのね。
人と吸血鬼の関わりということは
作品のテーマでもありますが
時代の流れを意識しながら
自らの出生と血に関して悩むのもまた
カーサらしくて可愛いのです。
でも…アリスとジローの
あまりの馬鹿ップルぶりにあてられて
思わず裏切ったと思わせかねないのもまた
カーサらしくて良いんですよねー。
ちょっと迂闊なのもポイント高いです。
天然と朴念仁の間で苦しむ天の邪鬼。
思わずちょっかいかけたくなる
カーサの気持ちが切ないというか
とても魅力的なキャラだと思います。


