2007年06月23日

悪魔のミカタ666スコルピオン・オープニング

悪魔のミカタ666スコルピオン・オープニング悪魔のミカタ666スコルピオン・オープニング
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 悪魔のミカタ666スコルピオン・オープニング
[著者] うえお 久光
[種類] 文庫
[発売日] 2007-02
[出版社] メディアワ..
>>Seesaa ショッピングで買う
666──それは『黙示録』に語られる『獣の数字』。その数字の示す存在が現れたとき、世界は崩壊し、龍の権威を代行する獣の王国が誕生する──
ザ・ワンを倒し、自らの願いをかなえるのに十分な程の、莫大な魂エネルギーを手に入れた堂島コウ。
その後、ある異常な状態に陥ったコウには秘密のうちに、アトリは三人の少女を招集し、あることを告げる。アトリが語る三つの≪制約≫──それを聞き、綾は何を思うのか。小鳥遊は何のために動くのか。イハナが下した決意とは──
新たな局面を迎えた「悪魔のミカタ」が、ついに二学期の始業式を迎える!!
本書カバー裏より

正直、あまり好きなシリーズじゃなかったりします。(ぉ
強い信念を持ちつつ、頭が良い主人公。
ハーレムもののお約束通りに動くキャラクター。
禁断のアイテムに欲望を狂わせられた人達によって
様々な事件が引き起こされ
主人公達の力で事件を解決していくというテンプレート。

手堅い構成でしっかり物語を紡ぎながら
どこか物足りない印象があった悪魔のミカタシリーズですが
番外編ともいえる「ザ・ワン」編が吸血鬼ものの体裁を取っており
しかもそれが下手な本編顔負けの内容だったりして。
パニックものとして水準以上の出来であり
単に個性的で魅力的な女の子を書き分けることができる以上の
筆力を証明してみせた作者のうえお久光さん。

本編の風呂敷を畳み切れずに途中で投げ出したんじゃないの?
などと心ないファンから揶揄されつつも
二年半のブランクを経て悪魔のミカタの続編が登場。
ようやく完全復活…したのでしょうか? (ぉ

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posted by のあなな at 05:06| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月21日

つばさ〈2〉

つばさ〈2〉つばさ〈2〉
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] つばさ〈2〉
[著者] 麻生 俊平
[種類] 文庫
[発売日] 2006-12
[出版社] メディアファクトリー

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道場破り現わる!!倉丘奨が通う茜台学園高校の剣道部が、謎の剣士に叩きのめされたらしい。すっかり自信をなくしてしまった剣道部の主将を立ち直らせるため、動き出そうとする“つばさ”だったが、同じ剣士である矢吹静香は「剣道をやめるのならやめればいい」と不参加を表明。奨たち残りのメンバーが事件の捜査を進めていくうちに、謎の剣士と静香にはいくつかの共通点があることを発見する―。静香を追ってやってきた少女、道場破りの裏に隠された真の目的、そして静香の過去の秘密とは!?交錯するそれぞれの想い。ノンストップ学園アクション第2弾。
紹介サイトより

ザンヤルマの剣士シリーズ以降
迷走を続ける麻生俊平さんの作品になります。
ミューノスノートは挿絵さえ良ければ
もっと頑張れたと思うので非常に残念でした…orz
VSはのっけからアレでしたがw

探偵さんシリーズやお宝発掘部は
悪ノリが過ぎますが
まだ作品としての体をなしていたように思います。
その他の作品は…ノーコメント。
処女作のポートタウン・ブルースは傑作ですけどね!

さてさてそんなこんなで
ノンストップ学園アクション第2弾でございます。
第1弾にあたる前作は
慣れないながらも頑張ったよ!

…という努力の跡が伺えて
涙なしには読めませんでしたが
作品としてのカラーは出せてましたし
後味も悪くはないものでした。
麻生さんが書く必然性が薄いのがアレでしたけど…。
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posted by のあなな at 23:56| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月18日

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」
[著者] 上遠野 浩平緒方 剛志
[種類] 文庫
[発売日] 1998-12
[出版社] ..
>>Seesaa ショッピングで買う
君は運命を信じているかい? 自分達の意志とは関係なく回っていく世界の流れを実感したことはあるかい? 
これは六人の少年少女たちの物語だ。彼らは未来を視ることができる不思議な力を持っていて、彼らの間でだけその能力をささやかに使っていた。彼らに罪はない。そして責任もない。しかし──
 「これ──ブギーポップ?」
六人の予知にこの僕の幻影が現れた時、運命の車輪は回り出した……。
第四回ゲーム小説大賞で〈大賞〉を受賞した上遠野浩平のブギーポップ・シリーズ第三弾。六人の選択は救いか。それとも破滅か……?
本書カバー裏より

ニコニコ動画でMADを観てから
ブギーポップを再読したくなりました。
シリーズとしての順番は関係なく
好きな作品を無作為に読むのもまた素敵ですよね。
そんなこんなで「パンドラ」の紹介です。
まずはキャラクターに関してね。
ネタバレ注意です。

■数宮三都雄  Bany Talk
  「ああ──なるほど、そういうことか。それで、おれって──」

お人好しでどこか抜けている。
そんな三都雄の飾らない優しさのおかげで
随分と雰囲気が和らいでいたように思います。
その不完全な能力が無ければ
どこまでも普通の少年だった三都雄。

三都雄は「何か」を選んだのでしょうか?
それとも「何か」に選ばれたのでしょうか?
そういった質問に三都雄は答えず
ただ穏やかに笑っているだけのような気がします。
きっと──。
そうすることが三都雄にはとても自然なことだったのでしょう。


■七音恭子  Aroma
  「河の、腐った水の匂いがする。場所はだいたいわかるわ」

それはきっと微かな予感。
現実から逃げてきたあたしにとって
みんなとの他愛もないお喋りは
ちょっとした刺激のつもりだった。

だから別に大きな事件に関わるとか
世界を救うなんて大それたこと
これっぽっちも考えちゃいなかったのだ。
ただみんなと一緒にいることで
少しでも不安が紛れればいいって思っていた。

だけどこんなことになるなんて……。


■天色優  Stigma
  「みんなで助けあってればどんなことでも乗り越えられるよ、きっと」

誰もが嘘をつき。
きっと誰もが傷ついた──。
優しさのなかで苦しんでいた優。
それが叶わぬ夢と知りつつ
いつまでもこんな時間が続けばいいと思っていた。

その願いはそれほど大それたものだったのでしょうか?
もし最初から物語の結末が決まっていて
そのためにみんなが集められたのだとしたら…。

仲間を失い願いも届かず
閉ざされた暗闇の中でひとり少年は眠り続ける。
その腕に薄汚れたスケッチブックを抱え
優しい想い出に包まれながら…。


■神元功志  Whispering
  「こういうこともあろうかと、僕が前から借りておいたんだよ」

自分の暗い過去には触れられたくないから──。
お互いがお互いのことを深く詮索しない。
緩やかな連帯感と居心地の良い時間。
それは現実から目を背けているだけかも知れない。
でも、それでも確かに彼らは
掛け替えのない「今」を生きていた。

功志の願いは時を超え
遙かな過去をも飛び越えて
ひとつの小さな奇跡を呼び起こす。
それが彼女の気持ちに答えられなかった
功志なりの優しさだと思います。


■辻希美  Automatic
  「あーあ、まぁた功志に嫌われちゃった」

それは恋と呼ぶには淡すぎ
愛と呼ぶには幼すぎた。

いつも前を見ている功志が好きだから
この関係を壊したくはなかった。
ううん。
本当はきっと判っていた。

功志にはまだ私を受け止める余裕はないんだって。

私だけを見てなんて言わないから
せめて一緒に同じことを感じていたかったのに
馬鹿だよね…私。


■海影香純  Into Eyes
  「俺の眼に、おまえが映ってるかな?」

そうだ。
俺たちは実のところ
未来なんかほんとはどうでもよかったんだろう。
予知するために、とか
能力を思いっきり使うため、とか
そんなのは全部付け足しみたいなものだった。

俺たちは結局、互いのことをすごく気に入っていたという──
他のヤツのことが自分よりも大切なような気がしていたという
それで俺たちはいつもいつも六人でつるんでいたんだ。

だから優の正体を知ったときも
そして俺は勘づいていたが辻には何の能力もないことも
俺たちにはまったくどうでもよかった──
そんなことは関係なかったんだ。
能力とか才能とか、そんなものは、まるっきり。


********************************

最初から最後まで計算され尽くした
一本の映画のような作品でした。
登場人物それぞれが抱える口に出せない事情や
心に抱える想いなどが絡み合って
荒れ狂う災厄の中にあって
たったひとつの希望を紡ぎ出している。
私はそんな印象を受けました。

もう絶対にあの頃には戻れない。
残酷なまでに冷徹な現実。

彼らが出逢ったのは決して偶然なんかじゃない。
それは勿論、世界を救うためだったり
あらかじめ仕組まれていた運命なんかのせいじゃなくて
お互いがお互いを必要としていたから。

不幸になるために選ばれたのではなく
かけがえのない時間を一緒に過ごすために
彼らは自らの運命を選び取った。
そう──私は思います。

還らざる時の終わりに
いつか彼らが再会できることを祈りつつ。
みんな幸せになれると良いですね。
posted by のあなな at 23:17| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月07日

四月に降る雪


■ブギーポップ 4月に降る雪

「たとえ四月に雪が降ることがあっても
 それはしょせん春の日差しの中で  
 積もることなく虚しく溶けて消えていくしかないんだ。
 イマジネーター……!」
ブギーポップ・リターンズ VS イマジネーター PART 2 より

Prince の名作 『 Parade 』 のB面ラストに
「 Sometimes It Snows in April 」 というバラードがあります。
Tracy died soon after a long fought civil war,
just after I'd wiped away his last tear
I guess he's better off than he was before,
A whole lot better off than the fools he left here
I used 2 cry 4 Tracy because he was my only friend
Those kind of cars don't pass u every day
I used 2 cry 4 Tracy because I wanted to see him again,
But sometimes sometimes life ain't always the way...

Sometimes it snows in April
Sometimes I feel so bad, so bad
Sometimes I wish life was never ending,
and all good things, they say, never last

continued below...
※ to は「2」 ・ for は「4」 ・ youは「U」 で記されてます。

 ■ 「四月に降る雪だってあるのよ」

三月の初め、一人の少女が屋上から自殺した。
少女の名前は水乃星透子。
かつてブギーポップと対峙した…世界の敵。

未だに事件の詳細は語られていませんが
彼女が世界の敵であったことは事実のようです。
そして彼女の行動が他人の精神と繋がり
ひとつに溶けあうことで結果として人の可能性を閉じてしまう。
彼女の心棒者たちの行動や発言から
そのようなことが伺い知れるのではないでしょうか?

おそらくは「可能性」を突破するため
彼女は多くの人を集めて交じり合い
その心をまとめて誘導しようとしていたのでしょう。
その優しそうな言葉とは裏腹に
どうしようもない孤独と絶望を抱えながら。

「時々四月に雪が降る
 時々私は気が滅入る
 時々、時々、人生がこのまま続いて欲しいと願う。
 でも良いことは、決して続かない」

彼女の心棒者たちは
「きっと明日には良いことがある」
「自分もいつか変われるはずだ」との思いから
彼女の行動に疑問を抱くことはありませんでした。

けれど水乃星透子の本当の願いは何だったのでしょう?

この一瞬を永遠に…。
それが彼女の願いだったとは思えません。
閉じた時間の向こうに
彼女は何を見ようとしていたのか…。

私にはどこか破滅願望のただよう
「終わり」を彼女が望んでいたように思えてなりません。
とは思いつつ
「何か良いことないかなぁ」と
どこか夢見がちな足取りで学校に通う
普通の女学生だった
水乃星透子さんも悪くないと思ったりして。

誰もが世界を滅ぼす「芽」を持ちながら
その可能性に気づかず退屈な毎日を送っている。

そんなブギーポップも悪くないと思ったり。
霧間誠一さんとの語らいで
水乃星透子さんに関して言うのなら
そこらへんの可能性は既に否定されちゃってますけど。

北海道だと四月に雪が降るのは
さして珍しいことでもないのですが
東京だと雪が降ることそのものが珍しいですよね。
つい先日、実際に降っちゃったようですがw

■冒頭で紹介した作品について
ブギーポップの作品を偶然見つけちゃって
ブギポ熱が再燃しそう??
最近の作品は正直…なんですけどね。

音楽や演出がすっごい素敵で
特にペパーミントの魔術師が出てきたところなんか
思わず涙ぐみそうになったですよ。
エンブリオ炎上やパンドラの面々も懐かしいですし。

うん。
ブギーポップ好きな人は期待しつつご照覧あれ!
posted by のあなな at 05:58| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月27日

刀語 第二話 斬刀・鈍

刀語  第二話  斬刀・鈍刀語 第二話 斬刀・鈍
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 刀語 第二話 斬刀・鈍
[著者] 西尾 維新
[種類] 単行本
[発売日] 2007-02-02
[出版社] 講談社

>>Seesaa ショッピングで買う
「あんたはまだその程度にしか
   虚刀流を知らないということだ」
無刀の剣士・鑢七花と
野心を秘めた謎の奇策士・とがめは、一路、西へ!
伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が完成させた ”刀” は十二本──
残る十一本は誰が? 何処に?
愛と復讐の旅路に迫る危機また危機!
刀語、第二話の対戦相手は、因幡砂漠に聳え立つ下酷城・孤高の城主、宇練銀閣!
本書カバー裏より

笑いました。
キャラが薄めの主人公・七花さんのすっとぼけ方が素敵。
そしてどこまでも不幸なとがめさんに
迂闊にも萌えそうになってしまいました。
というか…うっかり萌えですねw

真庭忍軍の皆々様も「まにわに」なんて略されちゃうと
一気に親しみやすさを覚えました。
というか…中ボス以下の扱いになってません?
十二人の頭領がいるって話なので
普通に考えると1巻につきひとりって感じなんでしょうけど
西尾さんの場合はイレギュラーばっかりなので
なーんのあてにもなりません。
美人なくノ一さんの登場に今から期待してたりして。

キャラ萌えに関しては並々ならぬ関心を抱く作者ですから
どんなトンデモ素敵でいらん設定がつくのか
今から戦々恐々としてたり。
軽やかな筆の運びも健在ですし
お得意の台詞の掛け合いにも調子が出てきた感じです。
後は変幻自在の言葉の奔流がいつ出てくるのかってところでしょうか。

逆さ言葉は微妙に外し気味だと思いましたw
西尾さんもそれを自覚していたからこそ
あんな結末を用意してくださったのだと思いますけどね。
次に期待です。

宇練銀閣さん、けっこう良いキャラだったのにねー。
ちょっと終わり方もあっさりです。
居合いを語るのなら
刹那という一瞬に全てを賭けて
限りなく虚無に近づき
永久と等価値になる…ぐらいの描写が欲しかったけど
今回はあっさり風味がコンセプトみたいなので
少しだけ残念だったりします。

守るもの・守られるもの
そこらへんの描写はきっちりしていて
次回に繋げる伏線もあざといけれどバッチリなので
ないものねだりというか
過剰な期待のなせる業なのかも知れませんけど。

いずれにしても毎月
西尾さんの本が読めるのが結構楽しみだったり。
どういう結末を描くのか興味津々です。
posted by のあなな at 21:42| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月12日

刀語 第一話 絶刀・鉋

刀語 第一話 絶刀・鉋刀語 第一話 絶刀・鉋
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 刀語 第一話 絶刀・鉋
[著者] 西尾 維新
[種類] 単行本
[発売日] 2007-01-10
[出版社] 講談社

>>Seesaa ショッピングで買う

「虚刀流はよ、
  刀を使わないからこそ強いんだ」
伝説の刀鍛冶、四季崎記紀がその人生を賭けて鍛えた十二本の ”刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花と美貌の奇策士・とがめが征く!
刀語、第一話の対戦相手は真庭忍軍十二頭領が一人、真庭蝙蝠!
衝撃の12ヶ月連続刊行企画
”大河ノベル”第一弾!
本書カバー裏より

まず最初に目に付くのはこの煽り文句。
ブックカバーというよりBOXカバーというのが相応しいような
またまた講談社やっちゃった!? 感のただようBOXシリーズ。
くそぅ。
ただのノベルスより単価高いじゃん!
とは思いつつも装丁にお金をかけているのは誰の目にも明らかで
ライトノベルの魅力がその挿絵にあるというのなら
やっぱりこの選択は正しかったと認めざるを得ないわけで…。

そんなこんなで西尾維新さんの新シリーズ・刀語第1巻。
とても楽しく読ませていただきました。
元々私自身が歴史小説好きってのもありまして
それなりに期待していたのですが
やはり期待を裏切らないという点において
西尾さんはやっぱり西尾さんなのでありました。

五味康祐さんのように観念的ではなく
山田風太郎さんのような息遣いを感じることもなく
隆慶一郎さんのような悲哀を偲ばせるようなこともない。
どこまでも軽やかなその筆遣いは
やはりエンターテイメントに徹していると思わざるを得ません。

いや、だから面白いんですけどねw
私はたまに剣豪小説なんかも読んだりしますけど
どうも作品にただよう説教臭さが苦手でして
もってまわった言い方に辟易することがあったりします。

私が文体として好きなのは海音寺潮五郎さんだったり
中島敦さん、井上靖さんあたりだったりしますので
硬くて簡潔な文章への憧れがあったりするのかも知れません。

五味康祐さんが剣豪小説で見せたような
敵対するふたりのエピソードを積み上げて
単に剣の勝敗を決するということに留まらず
ふたりの思想や人間としてのあり方を煽りまくる手法。

山田風太郎さんが忍法帖もので見せた
奇想天外な必殺技の数々と
それを力ずくで納得させるような設定の妙の巧みさ。
さらに隆慶一郎さんの小説にみられるような
無敵なヒーローにつきまとう悲哀さ。
それらの偉大な先人達にはそれを支える確かな筆力がありました。

そして我らが西尾さんにもそれはあると思います。
軽くて洒脱…という域には達しないまでも
読みやすくて軽快な語り口もそうですし。
奇想天外というには
まだ少し世界観を構築できていないような気もしますが
読者の予想を軽く裏切る展開も素敵です。
主人公である鑢七花は隆慶一郎さんの作品に出てくるような
朴訥で純真な主人公をものすごーく薄めたような感じですけどねw

いつもの西尾さんによる
奇想天外キチ○イバトル…とまでは行きませんが
一筋縄ではいかない方々や
普通じゃない世界観を力ずくで納得させるその筆力は
単に薄くて軽やかというだけではなく
読者を楽しませるということに徹しきる
西尾さんの自信と決意の現れなんじゃないかな…と
思う次第でありました。

いくら技巧や志の高さを論じたところで
読んで面白い。
その事実の前には絶対に適わないと思ったりもして。

現在、3巻まで発売されているこの刀語シリーズ。
人気が出るのも納得というか
ここからどう終幕まで持っていくのか楽しみですよね。
今のところ味付けはソフトで薄味ですが
どんなゲテモノが出てくるのか今から期待してたりします。
posted by のあなな at 00:52| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月06日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
[著者] 桜庭 一樹
[種類] 文庫
[発売日] 2004-11
[出版社] 富士見書房

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大人になんてなりたくなかった。
傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。
でも、早く大人になりたかった。
自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。
実弾が、欲しかった。
どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。
そんな13歳の二人の少女が出会った。
山田なぎさ───片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。
海野藻屑───自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。
二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。すべては生きるために、生き残っていくために───。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー!
本書のカバー裏より

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない。

そこにあるのは小さな小さな物語。
冒頭に用意された結末を少しも裏切ることなく
物語はゆっくり静かに紡がれる。

それは取るに足らない貴族のお菓子。
腹の足しにはならない砂糖菓子。
甘く切なくて溶けてしまいそうな…優しい嘘。

藻屑は自分のことを人魚だと言う。
大嵐が来るまでに捜し物をみつけないと
海に還ることになるって…。

あたしは実弾が欲しかった。
それは現実に負けない直接的な力だったから。
生活に打ち込む、本物の力。
それが実弾だ。

ふたりの少女をとりまく状況は
大きなうねりとなって
ある時には穏やかで優しく
そして残酷なまでにふたりの運命を玩ぶ。

砂糖菓子の弾丸では撃ちぬけない。
これがあたしと藻屑の…ささやかな抵抗。

「友彦。昨日の夜、
  藻屑は言ったんだ……」

「こんな人生は全部、嘘だって。
  嘘だから、平気だって」

もう誰も、砂糖菓子の弾丸を撃たない。
どこまでも一緒に逃げようなんて、言ってくれない。

嵐の一夜が過ぎ去ったとき
嘘つきで優しい人魚は…海の泡になる。

あたしの魂は、それを知っている。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
読みました。
なかなかに素敵な作品で驚いています。
優しい嘘って素敵ですよね。

読み終わった後、作品の感想について少し調べてみました。
ちょっと調べて興味深かったのは
ライトノベルとして出版された本作品が
今年の2月に一般文芸書として単行本で出版されたことでしょうか。

今までイラストによって和らげられていたものが
一般文芸書という枠組みの中でどう評価されるのか興味があったり。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない。

この作品タイトルにこめられた意味に気づいたとき
私は既にこの物語にどっぷり引き込まれていて
ひとつひとつの言葉を噛み締めるように
嫌だ嫌だと思いつつも最後まで読み進めてしまいました。

軽く欝になれる作品だってことは知っていましたので
そこまで心にダメージはなかったんですけどね。
砂糖菓子の弾丸はなぎさと藻屑の現実を壊すことはできなかったけど
私の心を撃ちぬくには十分すぎるほどの破壊力があって
優しくて切なくて…とても愛しい物語だと思いました。

できれば10代の多感な時期にこの物語を読みたかったかなー。
きっとボロボロと涙を流していたに違いないでしょうし。
藻屑が砂糖菓子の弾丸を撃ち続けていた意図が
今はもう痛いぐらいに判ってしまうので
その行動に疑問や反感を覚える前に
駆け寄って抱きしめて「もう大丈夫だから」って言いたくなります。

でもそれじゃ、作者の意図というか
作品の魅力を十分に味わうことはできませんよね。
小さな嫉妬にほんの少しの憧れ。
思春期特有の微妙な心理描写が秀逸で
手を伸ばせば届きそうで届かないもどかしさがあったりします。

■答えられたらヤバイクイズ
  一時期ネット上で話題になったりしましたけど
  (時期的には多分、某カレー事件の頃かな)
  これの元ネタは私が思うに江戸時代の天和の大火で有名な
  八百屋お七の故事から来ていると思います。

  これを誰かが有名な猟奇殺人の精神鑑定と結びつけたのか
  あるいはそういったやり取りが実際にあったのか知りませんが
  あたかも本当にありそうな噂として
  現在ではそれなりに知られている逸話だと思います。

  私ですか?
  そんなの勿論、バッチリ答えられたに決まっているじゃない!
  いや…犯人の気持ちになって考えたら
  そんなに難しいクイズでもないと思うのよ。
  八百屋お七の逸話も知ってましたし。

  でも ”Because I miss you” って答え方は素敵ですよね。
  
まだこの作品を読んだことのない貴方に
砂糖菓子の弾丸が届くことを祈って
…今回はこんな感じでしょうか。
良い作品なので未読の方はこの機会に是非どうぞ♪
posted by のあなな at 22:34| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月17日

狼と香辛料 W

狼と香辛料 (4)狼と香辛料 (4)
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 狼と香辛料 (4)
[著者] 支倉 凍砂
[種類] 文庫
[発売日] 2007-02
[出版社] メディアワークス

>>Seesaa ショッピングで買う


3巻で見せたような手に汗握るような
ドキドキ感は薄れているように感じます。
その分、落ち着いて楽しめる内容なんですけどね。

それでもどこか残念に思ってしまうのは
我らがロレンス君が大チョンボをしなかったせいだったり?
ある意味予定調和的というか
背伸びして結論を急ぐのではなく
ゆっくりと答えを相手に選ばせるかのように
慎重に人間関係を築き、相手との距離を確かめてるからかも。

流石は落ち着いた独立商人だなんて
ラノベにはあるまじき職業を生業にしている
主人公なだけはありますね。

散々ホロに弄られてきただけあって
ロレンス君も少々のことでは動じなくなりました。
矛先が自分に向いてないだけで
本性は打たれ弱いままって気もしないではないですがw

脇役達の行動も不自然な部分が少なく
与えられた状況の中で最善を尽くそうとする姿勢は
とても共感が持てるものでした。
ただ、その行動にぶれがないせいで
先の展開が読めてしまったのが少しだけ残念に思ったり。

ものすごーく贅沢な注文だとは理解してるんですがw
起承転結の転の部分の印象が少し弱いのかな。
価値観のどんでん返しや謎の究明にあたるところが少し…ね。
今回の騒動の大元がロレンスやホロのせいではなく
たまたま立ち寄った村に以前からあった問題だったせいかも?

それはそれで中世風の世界観において
村から村へと渡り歩く商人というものが
どれだけ孤独な存在であり
狭い価値観の中で生きる人々にとって
異邦者であるのか実感できて悪くないんですけどね。

もちろん!
今は以前のように孤独なひとり旅ではなく
少々口やかましいけど優しい相棒がいるから
なーんて精紳的な余裕も見逃せないところ。

今まで散々騒いできただけあって
ふたりの絆も確かなものになってきてますし
以前のように旅の終わりを怖れて
ぎくしゃくした関係にならないのも素晴らしい。
あの朴念仁のロレンス君が凄い進歩です!

…って言うか仮にも主人公を捕まえて
なんて言い草なんだかw
やるべき時はきっちりやるし
そうじゃない時だって
たまには身体を張ったりするのにね。
いちいち行動の前に自省したりするのが魅力的ですがw

そんなこんなで狼の化身たるホロと
人生経験がちょっとだけ豊富なロレンスの
蕩けるように甘くはないけど
ほんのり甘くてちょっとだけほろ苦い
「狼と香辛料」
現在、第四巻まで絶賛発売中になります。
とても面白いのでオススメですよん。
posted by のあなな at 23:41| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月24日

狼と香辛料 V-3

狼と香辛料〈3〉狼と香辛料〈3〉
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 狼と香辛料〈3〉
[著者] 支倉 凍砂
[種類] 文庫
[発売日] 2006-10
[出版社] メディアワークス

>>Seesaa ショッピングで買う


さてさてどんどん行くですよ。

■三幕

暗転。
その言葉がこれほど相応しいとは!
いやもう本当に素敵すぎ。
ロレンス君ってば不幸が似合うなぁ。

せっかくの祭りの日。
二日酔いでベッドで寝込んでいたホロをそのままに
ホロの過去に関わるヨイツの伝承を聞きに行ったロレンス。

ロレンスの知っている昔話ではヨイツが既に滅んでいたため
ホロを気遣っての行動だったりもするのですが
真実を隠しているという負い目もあったりするのが困りもの。

そんな二人の間隙を縫うようにお邪魔虫が忍び寄る。
見た目は貴族のぼんぼん風な魚仲介業のアマーティ君。
育ちが良さそうな見た目と裏腹にやり手で自信家、才能もあったり。

照れ隠しと方便から『借金を肩代わりしたから一緒にいる』
…なんてホロのことを紹介しちゃったロレンス君。
なんて非道で不誠実な! 
と憤慨しちゃったアマーティ君。
だったらその借金を私が肩代わりしましょう…とばかりに
アマーティはロレンス君に契約を持ちかけます。

銀貨1000枚と引き換えにホロの身を自由に?
祭りで気分が大きくなった周囲が囃し立て
逃げるに逃げられない状況に陥った我らがロレンス。
大丈夫。
銀貨1000枚なんてそう簡単に集められやしないさ。
…などと嘯いたものの心は乱れます。
自分はどうしてホロと一緒にいるんだろう…と。

ホロに事情を説明し
アマーティが銀貨1000枚を集めるのを
なんとか妨害しようと画策するロレンス。
敵情視察とばかりにホロと一緒に賑わう街中を歩きます。

行商人という身で孤独にはなれていたものの
やはり人恋しさに寂しくなるのか
いつも祭りの期間中は町を避けていたロレンス。
でも今は違います。
隣にはホロがいるのですから!

…って所まで持ち上げて一気にどん底へ。
いやもう見事です。
たったひとつボタンを掛け違えたせいで
不幸な事態が二重三重に連鎖して
加速して坂道をまっ逆さまに転げ落ちるような感じ。

お邪魔虫なアマーティ君。
ホロの魅力にころっと参った純真な若者。
…などと思われがちですが
実はこの人なかなか鼻持ちなりません。

ホロに対する熱意と情熱を疑うつもりはありませんが
熱意を持って真摯に応対するのなら
女性なんてどうにでもなる…なんて思ってそうです。
お金の使い方はスマートですし
それでなびかない女性のほうが珍しいんですけどね。

彼氏もちが好きなわけじゃない。
たまたま好きになった人に彼氏がいただけ。
なーんてぬけぬけと言いやがりそうです。
半分ゲーム気分でさ。
別に恋愛は先着順じゃないですし
その考え方が悪いこととも思いませんが
今回はちょっと相手が悪かったみたい!?

さてさてホロの魅力に囚われた哀れなふたり。
どんな顛末になることやら。
posted by のあなな at 00:31| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月23日

狼と香辛料 V-2

狼と香辛料〈3〉狼と香辛料〈3〉
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[タイトル] 狼と香辛料〈3〉
[著者] 支倉 凍砂
[種類] 文庫
[発売日] 2006-10
[出版社] メディアワークス

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もう全部読み終わったけど
前回のの続きからね。

■二幕

元行商人にして町商人のマルク。
ロレンスと同じローエン商業組合に属し
年齢がひとつ違いということもあって
ロレンスとは顔なじみの間柄です。

彼が自他共に認める幸運によって
見事に町商人の座を射止めたことは
作中で今も語り草になるほどですが
このエピソード自体が今回のお話の鍵だったり。

そしてマルクとロレンスの関係も
今回のお話を通して変化していくことになり
いろんな意味で重要な人物になります。
後は二日酔いでくたばってるホロに萌え。(ぁ

事前に今回の商売ネタは相場の変動というか
先物取引が出てくるって聞いていたので
ロレンスがいつ・誰に・どうやって騙されるか
随分と楽しみにしてたりします。

騙されるしか選択肢がないあたり
今までの積みかさねって本当に大事だなと感じます。
私ってばどれだけロレンスをヘタレ扱いしてるんだかw

さてさて出てきましたるは
宝石や鉱物扱う怪しげな商人ギ・バトス。
そしてその取引相手の
錬金術師ディアン・ルーベンスさん。

いかにも胡散臭げで怪しげな雰囲気が漂うお二方。
ここで滅びた都市ヨイツの伝承を尋ねたことが
後々大きな問題としてロレンスに降りかかってきます。

ホロを傷つけないためにも真相を知りたかった。
その気持ちに嘘偽りはないものの
結局はホロを欺いていることに他ならず
どこか後ろめたい気持ちを抱いてしまうロレンス。

さらなる驚きの展開でひと悶着起きてしまうわけですが
ロレンスがホロに嘘をついていたということが
ふたりの上にどこか暗い影を投げかけるのでした。

本当…上手い展開でございます。
不幸の予感を感じさせつつ
驚きの展開で読者を飽きさせません。
しかも読後感もバッチリ♪
posted by のあなな at 16:31| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする